クリストファー・フランク・カランディーニ・リー CBE(Christopher Frank Carandini Lee CBE, 1922年5月27日 - )は、イギリス、ロンドン出身の映画俳優。怪奇映画の大スターとして名を馳せ、80歳を超えた今なお現役で活躍する名優である。
出演作は250本にも上り、世界で最も多くの映画に出演した俳優としてギネスブックに記載されている。ドラキュラ伯爵役が最も有名であり、そのほか『白夜の陰獣』のラスプーチン、『007 黄金銃を持つ男』のスカラマンガ、『三銃士』のロシュフォールなど、特に悪役でその魅力が際だっている。193センチの長身は老いてますます威厳があり、その威容を『ロード・オブ・ザ・リング』や『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』等の大作で遺憾なく発揮している。
ピーター・カッシング、ヴィンセント・プライスと並んで戦後のホラー映画黄金期を築いた。特にピーター・カッシングとは多くの作品で共演し、ホラー映画の名コンビとして知られている。
来歴[]
フルネームはクリストファー・フランク・カランディーニ・リー(Christopher Frank Carandini Lee)。母方のカランディーニ家はイタリアの歴史ある貴族の一門であり、父はキングス・ロイヤル・ライフル軍団の士官であった。語学能力に長け、英語以外に七ヶ国語(フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、スウェーデン語、ロシア語及びギリシャ語)を自在に話すことができると言われており、実際に英語のほか、ドイツ語、フランス語での出演も多い。
若い頃は193cm(196cmとも)という長身のためスタントマンや脇役が中心だった。ハマー・フィルムの怪奇映画『フランケンシュタインの逆襲』では、フランケンシュタイン男爵に創造される怪物を演じたが、この時は奇怪なメイクで素顔は見せず、また台詞も無かった。そのグロテスクなメーキャップに、当時のマスコミには、「リーは事故をして整形手術に失敗したらしい」などと揶揄される始末だった。が、『フランケンシュタインの逆襲』が大ヒットすると、ハマー・フィルムは続いて『吸血鬼ドラキュラ』を制作、ここでリーはドラキュラ伯爵役を得、『吸血鬼ドラキュラ』もまた大ヒットしたことから、一躍スターとなった。この時、『フランケンシュタインの逆襲』でフランケンシュタイン男爵を、『吸血鬼ドラキュラ』でヴァン・ヘルシングを演じたのが、ハマー・フィルムのもうひとりの看板名優、ピーター・カッシングである。
カッシングとは22本の映画で共演したが、『吸血鬼ドラキュラ』を含め、リーがドラキュラを演じ、カッシングがヴァン・ヘルシングを演じる作品は3本ある。今も尚、このリーのドラキュラ、カッシングのヴァン・ヘルシングを超える組合せは無い、とするホラーファンも多い。また二人は親友でもあり、その友情は変わることがなかった(カッシングは1994年に没した。なお、共演こそしていないがカッシングはリーが出演する以前に、スター・ウォーズ エピソード4にターキン総督役で出演している)。
リーの最大の当たり役はドラキュラであり、ハマー・フィルムでは合計7本の作品にドラキュラ役として出演したが、本人はドラキュラでイメージが固定されることを嫌い、ハマー・フィルムの衰退した1970年代以降はアメリカ移住し、ドラキュラのイメージを払拭するべく数多くの映画に出演した(後、1985年にイギリスに帰国)。
小説『シャーロック・ホームズシリーズ』を基にした映画にも出演した。リーはマイクロフト・ホームズとシャーロック・ホームズの兄弟双方を演じた史上唯一の俳優でもある。また、ハマー・フィルム制作の『バスカヴィル家の犬』では、ヘンリー・バスカヴィル卿を演じている(この時ホームズを演じたのはピーター・カッシングである)。
若い頃から剣術、馬術に優れており、無名の頃にはスタントマンとしてその技量を発揮したが、後年オリヴァー・リード主演の『三銃士』にロシュフォール役で出演した際にも見事なアクションを披露した。なお、スター・ウォーズシリーズでは80歳を過ぎていたため、アクションシーンは代役(あるいはコンピュータ・グラフィックスや映像加工によって、頭の部分だけ代役と挿げ替えている)である。
俳優としての活動のほか、その深く重々しい美声を生かした朗読、歌唱も多い。トールキン・アンサンブルとのコラボレーションCDや、エドガー・アラン・ポー作品の朗読が有名。また、コメディ映画『キャプテン・ザ・ヒーロー』では、悪の首魁ミスター・ミッドナイトを演じるに際し、その歌声と妙にノリノリのダンスを披露している。
近年では、イタリアのメタル・バンドラプソディー・オブ・ファイアの要請を受け、アルバム『Symphony Of Enchanted Lands II-The Dark Secret』にナレーションで参加。また『The Magic Of The Wizard's Dream』では歌唱で参加している。
さらにアメリカのメタル・バンドマノウォーのアルバム『Battle Hymns MMXI』に曲中の語りに参加。これは同バンドのデビューアルバムのセルフ・カヴァーアルバムであり、クリストファー・リーは、かつてオーソン・ウェルズが行った部分を担当している。
声優としての仕事もこなし、ストップ・モーション映画『コープスブライド』に出演している他、ゲームソフト『キングダム ハーツII』の英語版では重要キャラであるディズを演じている。
戦争[]
1939年にソ連がフィンランドに侵攻して勃発した冬戦争において、リーはフィンランド側の義勇兵として参戦した。
第二次世界大戦中、リーはイギリス空軍に所属していた。南アフリカでパイロットとして訓練を受けたものの、視力不足でパイロットへの道は断念せざるを得なかった。その後、第260飛行中隊の情報士官としてシチリアやイタリアで転戦し、北アフリカで終戦を迎えた。戦後、退役したリーの階級は大尉であった。
私生活[]
「世界女性賞」にて、妻ギッテと(2009年)
妻はデンマーク人のモデルにして画家のGitte Kroencke。従兄弟に『007シリーズ』の原作者イアン・フレミング、姪にハリエット・ウォルターがいる。
このイアン・フレミングとの親戚関係もあって、『007シリーズ』第1作『007 ドクター・ノオ』の映画化に際してフレミング自身がリーに敵方のノオ博士役を望んでいたが実現せず、結果としてジョセフ・ワイズマンがこの役を得た。
後に、『007シリーズ』第9作『007 黄金銃を持つ男』(原作はイアン・フレミングの遺作)で、宿敵フランシスコ・スカラマンガとしてシリーズへの出演を果たした。
『ロード・オブ・ザ・リング』の出演者の中で、唯一原作者のJ・R・R・トールキンと面識があり、指輪物語の世界観のみならず、トールキンの創造したエルフ語への造詣が深い。また『ゴーメンガースト』の原作者マーヴィン・ピークとも面識がある。
主な出演作[]
- 1948年『ハムレット』
- 1951年『艦長ホレーショ』(スペイン籍ナティビダッド号艦長)
- 1952年『赤い風車』 Moulin Rouge
- 1957年『フランケンシュタインの逆襲』(クリーチャー)
- 1958年『吸血鬼ドラキュラ』(ドラキュラ伯爵)
- 1959年『バスカヴィル家の犬』(ヘンリー・バスカーヴィル卿)
- 1959年『ミイラの幽霊』(ミイラ男カリス)
- 1964年『女ヴァンパイア カーミラ』
- 1965年『姿なき殺人者』(Mr.オーウェンの声)
- 1966年『凶人ドラキュラ』(ドラキュラ伯爵)
- 1968年『帰って来たドラキュラ』(ドラキュラ伯爵)
- 1970年『ドラキュラ血の味』(ドラキュラ伯爵)
- 1970年『ドラキュラ復活・血のエクソシズム』(ドラキュラ伯爵)
- 1970年『シャーロック・ホームズの冒険』(マイクロフト・ホームズ)
- 1972年『ドラキュラ'72』(ドラキュラ伯爵)
- 1973年『新ドラキュラ・悪魔の儀式』(ドラキュラ伯爵)
- 1973年『ウィッカーマン』(サマーアイル卿)
- 1973年『三銃士』(ロシュフォール伯爵)
- 1974年『007 黄金銃を持つ男』(スカラマンガ)
- 1974年『四銃士』(ロシュフォール伯爵)
- 1977年『エアポート'77/バミューダからの脱出』(マーチン・ウォレス)
- 1979年『1941』(ウォルフガング・フォン・クラインシュミット艦長 )
- 1989年『新・三銃士』(ロシュフォール伯爵)
- 1990年『グレムリン2/新・種・誕・生』(キャサター博士)
- 1993年『ポリスアカデミー777モスクワ大作戦』
- 1999年『スリーピー・ホロウ』(ニューヨーク市長)
- 2000年『ゴーメンガースト』(フレイ)
- 2001年『ロード・オブ・ザ・リング』(サルマン)
- 2002年『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』(サルマン)
- 2002年『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(ドゥークー伯爵)
- 2004年『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(サルマン)※特別版のみ
- 2004年『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使達』(ヘメリッヒ)
- 2005年『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(ドゥークー伯爵)
- 2005年『チャーリーとチョコレート工場』(ウィルバー・ウォンカ)
- 2005年『ティム・バートンのコープスブライド』(ゴールズウェルズ牧師、声)
- 2006年『キングダム ハーツII』(ディズ、ゲーム、声)
- 2008年『スター・ウォーズ/クローンウォーズ』(ドゥークー伯爵、アニメ映画、声)
- 2010年 『アリス・イン・ワンダーランド』(ジャバウォッキー、声)
外部リンク[]
- 公式ウェブサイト(英語)
Christopher Lee at the Internet Movie Database (英語)
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