ジェームズ・ボンド Wiki
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==イアン・フレミングの原作小説==
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原作者のフレミングは様々な職業を転々とし、[[ジャーナリスト]]の経験もあったが、[[第二次世界大戦]]中はイギリス情報部(SOE―特別作戦部)で対敵諜報工作に携わっており、この経験を活かして[[007シリーズ|007]]を書いたと言われる。
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「ジェームズ・ボンド」という、[[英語]]圏ではやや凡庸な印象の強い名前は、戦前の活劇映画的な、華やかな印象の名を、フレミングが意識的に避けたものである。フレミングが愛読する鳥類研究書の著者名をいただいた。
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フレミングの小説「007シリーズ」は[[1953年]]の第1作『カジノ・ロワイヤル』に始まって、フレミングが没する[[1964年]]まで書き継がれる。
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当初はそれなりの評価を得ながらもあまり売れなかった。その為、フレミングは何度もシリーズを終了しようと考えるが、その度に映像化の話が出てきて、シリーズは継続されることになった。本格的に売れ始めるのは1950年代後半で、そのきっかけは、フレミングと縁があった[[ジョン・F・ケネディ|ケネディ]]米大統領が『[[007 ロシアより愛をこめて|ロシアから愛をこめて]]』を愛読書のリストの中に入れたことだった(実際には007を愛読していたのはケネディ夫人の[[ジャクリーン・ケネディ・オナシス|ジャクリーン]]だったとも言われている)。
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その作風は、従来のイギリスにおける主流であった重厚な[[リアリズム]]派[[スパイ小説]]とは対極にあり、華やかで享楽的な設定の中で、アメリカの[[ハードボイルド]]小説の影響を受けたシビアな暴力やアクションを描くものであった(『カジノ・ロワイヤル』はその好例である)。
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しかしながらやがて、[[西部劇]]や[[スペースオペラ]]さながらの「悪役から美女を救い出す」凡庸なパターンにはまってしまった結果、1950年代末期以降の作品はマンネリ化し、誇大妄想的な設定が多くなった([[1959年]]の『[[007 ゴールドフィンガー|ゴールドフィンガー]]』など)。
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超人的なプレイボーイのスパイをヒーローとし、[[グラマラス]]な美女を配した「洗練された[[マッチョイズム]]」の物語は大衆の嗜好に合致し、また[[冷戦]]状況下では、[[東側諸国]]を絶対悪に擬す安易な設定が濫用しやすかったことから、1950年代後半以降、膨大な量の007亜流小説が世界各国に氾濫した。映画・コミックへの影響も非常に多大である。敵の手に落ちて拷問を受ける場面もこの種のヒーローとしては非常に多く、作家の[[小泉喜美子]]は『メインディッシュはミステリー』で「優雅なサディズム」と評している。
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==フレミング以外の作者==
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フレミングの死後、イギリスの作家[[キングズリー・エイミス|キングスレー・エイミス]]が未亡人の許可を得てロバート・マーカムの名で『007/孫大佐』を書いた。シリーズ化される予定だったが、評判は芳しくなく、シリーズ化には至らなかった。
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[[1977年]]には、映画『''The Spy Who Loved Me''(私を愛したスパイ)』の[[ノベライゼーション]]が出版された(タイトルは''James Bond, the Spy Who Loved Me'')。執筆したのは、脚本を担当した小説家クリストファー・ウッド。クリストファー・ウッドは、[[1979年]]に公開された『ムーンレイカー』の脚本も担当。同様にノベライゼーションを手がけた(タイトルは''James Bond and Moonraker'')。映画シリーズで、脚本家がノベライゼーションを担当したのはこの二作だけ。
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[[1981年]]に発表された『メルトダウン作戦 ''License Renewed''』から、[[ジョン・ガードナー (スパイ小説作家)|ジョン・ガードナー]]がフレミングを引き継ぐ形で「007シリーズ」を再開させた。ガードナーによる新・「007シリーズ」は、作品が発表される度に評価は低下していった。独自に展開しているうちに映画シリーズとは全くかけ離れたものになってしまったのが原因と思われる。その後[[1996年]]から[[レイモンド・ベンソン]]がシリーズ3代目の作家として作品を発表したが、6作目(『赤い刺青の男 ''The Man with the Red Tattoo''』)で007作家を降りることになった。[[2008年]]にはフレミング生誕100年を記念して[[セバスチャン・フォークス]]により『猿の手を持つ悪魔 ''Devil May Care''』が発表されたが、あくまでこれは記念作であるためシリーズ化される予定はない。
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なお、[[2002年]]にベンソンが『[[赤い刺青の男|007/赤い刺青の男]]』を発表したとき、日本を舞台とした内容であったことから、日本の一部マスコミが映画の次回作は日本が舞台かと騒いだが、この両者のオリジナル作品が映画化されたことはなく、逆に映画の脚本を基にしたノベライゼーション版をオリジナルに併行して発表しているにすぎない。しかし、作品の舞台となった地方([[北海道]][[登別市]]と[[香川県]][[直島町]])では現在も本作の映画化の実現とロケ誘致を目指した活動を続けている(詳細は該当項目を参照)。
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==007シリーズ小説一覧==
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(括弧内は発表年)
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===イアン・フレミング作品===
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日本では[[井上一夫]] (1923-2003) によってすべてが翻訳された。
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====長編====
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#カジノ・ロワイヤル ''Casino Royale'' (1953)
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#死ぬのは奴らだ ''Live and Let Die'' (1954)
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#ムーンレイカー ''Moonraker'' (1955)
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#ダイヤモンドは永遠に ''Diamonds Are Forever'' (1956)
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#ロシアから愛をこめて ''From Russia, With Love'' (1957) (映画化作品邦題は「ロシアより」であるが、原作は「ロシアから」である)
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#ドクター・ノオ ''Doctor No'' (1958)
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#ゴールドフィンガー ''Goldfinger'' (1959)
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#サンダーボール作戦 ''Thunderball'' (1961)
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#わたしを愛したスパイ ''The Spy Who Loved Me'' (1962)
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#女王陛下の007 ''On Her Majesty's Secret Service'' (1963)
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#007は二度死ぬ ''You Only Live Twice'' (1964)
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#黄金の銃を持つ男 ''The Man With the Golden Gun'' (1965)(映画化作品邦題は「黄金銃」であるが、原作小説の邦題は「黄金"の"銃」である)
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====短編集====
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*バラと拳銃 ''For Your Eyes Only'' (1960) (旧邦題『007号の冒険』)
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**バラと拳銃 ''From a View To A Kill''
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**読後焼却すべし ''For Your Eyes Only''
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**ナッソーの夜 ''Quantum of Solace''
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**危険 ''Risico''
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**珍魚ヒルデブラント ''The Hildebrand Rarity''
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*オクトパシー ''Octopussy and the Living Daylights'' (1966) (旧邦題『007/ベルリン脱出』)
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**オクトパシー ''Octopussy''
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**ベルリン脱出 ''The Living Daylights''
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**所有者はある女性 ''The Property of a Lady''
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===その他の作者による007小説===
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====ロバート・マーカム(キングスレー・エイミス)作品====
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*007/孫大佐 ''Colonel Sun''(1968)
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====ジョン・ガードナー作品====
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#メルトダウン作戦 ''License Renewed'' (1981)
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#スペクターの逆襲 ''For Special Services'' (1982)
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#アイスブレーカー ''Icebreaker'' (1983)
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#独立戦争ゲーム ''Role of Honour'' (1984)
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#不死身な奴はいない ''Nobody Lives Forever'' (1986)
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#覚悟はいいかね、ボンド君 ''No Deals, Mr. Bond'' (1987)
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#スコーピアスの謎 ''Scorpius'' (1987)
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#ミンサザイ作戦 準備完了 ''Win, Lose or Die'' (1989)
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#紳士らしく死ね ''Brokenclaw'' (1990)
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#''The Man From Barbarossa'' (1991)
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#''Death is Foreve''r (1992)
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#''Never Send Flowers'' (1993)
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#''SeaFire'' (1994)
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#''COLD'' (1996)  アメリカ版は“''Cold Fall''”
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====レイモンド・ベンソン作品====
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#007/ゼロ・マイナス・テン ''Zero Minus Ten'' (1997)
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#007/ファクト・オブ・デス ''The Facts of Death'' (1998)
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#007/ハイタイム・トゥ・キル ''High Time to Kill'' (1999)
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#''Doubleshot'' (2000)
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#''Never Dream of Dying'' (2001)
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#007/[[赤い刺青の男]] ''The Man with the Red Tattoo'' (2002)
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*短編(未収録)
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**''Blast from the Past'' (1996)
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**''Midsummer Night's Doom'' (1999)
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**007/ライヴ・アット・ファイヴ ''Live at Five'' (1999)
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====ジョン・ピアースン作品====
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*「ジェイムズ・ボンド伝」 ''James Bond/The Authorised Biography of 007'' (1973)
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**ボンド本人へのインタビューという形で、その生い立ちから『黄金の銃を持つ男』の後に至るまで、公私に渡るボンドの半生を描いた大作。ボンドの活躍は全て実話で、イギリス情報部の委嘱を受けたフレミングが「ボンドをフィクションの人物と見せかけてソ連側の魔手から遠ざけるため」実話を小説化したという設定を取っている。本書内の設定によれば、小説シリーズ3作目『ムーンレイカー』だけが「ボンドを架空の人物らしく印象づけるためのフィクション」であるという。なお本書のインタビューで、ボンドは自分を演じたショーン・コネリーについて「何だあの男は」などと批判的な発言をしている。
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====ノベライゼーション作品====
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#「新・私を愛したスパイ」''James Bond, the Spy Who Loved Me'' (1977) ([[クリストファー・ウッド]]著)
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#「007とムーンレイカー」''James Bond and Moonraker'' (1979) (クリストファー・ウッド著)
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#「消されたライセンス」''Licence to Kill'' (1989) ([[ジョン・ガードナー]]著)
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#「ゴールデンアイ」''Goldeneye'' (1995) ([[ジョン・ガードナー]]著)
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#「トゥモロー・ネバー・ダイ」''Tomorrow Never Dies'' (1997) ([[レイモンド・ベンソン]]著)
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#「ワールド・イズ・ノット・イナフ」''The World is Not Enough'' (1999) ([[レイモンド・ベンソン]]著)
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#「007/ダイ・アナザー・デイ」''Die Another Day'' (2002) ([[レイモンド・ベンソン]]著)
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====パロディ====
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#『007は三度死ぬ』''Sreshchu 007''([[アンドレイ・グリャシキ]]著)
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#:共産圏の[[ブルガリア]]の作家グリャシキによって、冷戦中の1958年に「東側版ジェームズ・ボンド」としてスタートした諜報員アヴァクーム・ザーホフのシリーズは、ブルガリアで非常な人気を得た。そのザーホフを何と本家007と世界を股にかけて対決させた本作は、ザーホフ・シリーズ唯一の日本語翻訳作品である。ボンドの名が使えないため、作中では全て「007」表記で、原書ではトラブルをおもんばかって「07」と表記を変えていた。東側作品であるため、当然ながらソ連が主人公の味方、007は敵役で冷酷非情なプロの工作員として描写される。対してザーホフは寡黙で有能、身辺清潔な学者肌スパイとして描かれるが、[[KGB]]をはじめとする実際の東側上級工作員にも学者・研究者としての経歴を持つ者が多かった史実との符合は興味深いものがある。
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# 『[[定吉七番]]』([[東郷隆]])
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#:東郷隆による日本版007パロディー。[[大阪商工会議所]]に所属する『殺人許可証を持つ丁稚』を主人公に描かれる奇想天外なスパイアクションコメディー小説。

2016年1月13日 (水) 06:33時点における最新版

シリーズ一覧[]

ショーン・コネリー (Sean Connery) 主演作品

ジョージ・レーゼンビー (George Lazenby) 主演作品

  • 第6作『女王陛下の007 (On Her Majesty's Secret Service) 』(1969年/ピーター・ハント監督)

ロジャー・ムーア (Roger Moore) 主演作品

ティモシー・ダルトン (Timothy Dalton) 主演作品

ピアース・ブロスナン (Pierce Brosnan) 主演作品

ダニエル・クレイグ (Daniel Craig) 主演作品

  • 第21作『007 カジノ・ロワイヤル (Casino Royale) 』(2006年11月17日(日本2006年12月1日)公開/マーティン・キャンベル監督)
  • 第22作『007 慰めの報酬 (Quantum of Solace) 』(2008年10月31日(日本2009年1月24日)公開/マーク・フォースター監督)
  • 第23作『007 スカイフォール』2012年10月26日(日本2012年12月1日)公開 サム・メンデス監督
  • 第24作『007 スペクター』2015年2015年10月26日(日本2015年12月4日)公開 サム・メンデス監督

番外[]

007/カジノ・ロワイヤル (Casino Royale) 』(1967年)

  • 共同監督:ジョン・ヒューストンケン・ヒューズヴァル・ゲストロバート・パリッシュジョセフ・マクグラス 出演:ピーター・セラーズウルスラ・アンドレスデヴィッド・ニーヴンオーソン・ウェルズウディ・アレンジョアナ・ペテット

イアン・フレミングの原作小説[]

原作者のフレミングは様々な職業を転々とし、ジャーナリストの経験もあったが、第二次世界大戦中はイギリス情報部(SOE―特別作戦部)で対敵諜報工作に携わっており、この経験を活かして007を書いたと言われる。

「ジェームズ・ボンド」という、英語圏ではやや凡庸な印象の強い名前は、戦前の活劇映画的な、華やかな印象の名を、フレミングが意識的に避けたものである。フレミングが愛読する鳥類研究書の著者名をいただいた。

フレミングの小説「007シリーズ」は1953年の第1作『カジノ・ロワイヤル』に始まって、フレミングが没する1964年まで書き継がれる。

当初はそれなりの評価を得ながらもあまり売れなかった。その為、フレミングは何度もシリーズを終了しようと考えるが、その度に映像化の話が出てきて、シリーズは継続されることになった。本格的に売れ始めるのは1950年代後半で、そのきっかけは、フレミングと縁があったケネディ米大統領が『ロシアから愛をこめて』を愛読書のリストの中に入れたことだった(実際には007を愛読していたのはケネディ夫人のジャクリーンだったとも言われている)。

その作風は、従来のイギリスにおける主流であった重厚なリアリズムスパイ小説とは対極にあり、華やかで享楽的な設定の中で、アメリカのハードボイルド小説の影響を受けたシビアな暴力やアクションを描くものであった(『カジノ・ロワイヤル』はその好例である)。

しかしながらやがて、西部劇スペースオペラさながらの「悪役から美女を救い出す」凡庸なパターンにはまってしまった結果、1950年代末期以降の作品はマンネリ化し、誇大妄想的な設定が多くなった(1959年の『ゴールドフィンガー』など)。

超人的なプレイボーイのスパイをヒーローとし、グラマラスな美女を配した「洗練されたマッチョイズム」の物語は大衆の嗜好に合致し、また冷戦状況下では、東側諸国を絶対悪に擬す安易な設定が濫用しやすかったことから、1950年代後半以降、膨大な量の007亜流小説が世界各国に氾濫した。映画・コミックへの影響も非常に多大である。敵の手に落ちて拷問を受ける場面もこの種のヒーローとしては非常に多く、作家の小泉喜美子は『メインディッシュはミステリー』で「優雅なサディズム」と評している。

フレミング以外の作者[]

フレミングの死後、イギリスの作家キングスレー・エイミスが未亡人の許可を得てロバート・マーカムの名で『007/孫大佐』を書いた。シリーズ化される予定だったが、評判は芳しくなく、シリーズ化には至らなかった。

1977年には、映画『The Spy Who Loved Me(私を愛したスパイ)』のノベライゼーションが出版された(タイトルはJames Bond, the Spy Who Loved Me)。執筆したのは、脚本を担当した小説家クリストファー・ウッド。クリストファー・ウッドは、1979年に公開された『ムーンレイカー』の脚本も担当。同様にノベライゼーションを手がけた(タイトルはJames Bond and Moonraker)。映画シリーズで、脚本家がノベライゼーションを担当したのはこの二作だけ。

1981年に発表された『メルトダウン作戦 License Renewed』から、ジョン・ガードナーがフレミングを引き継ぐ形で「007シリーズ」を再開させた。ガードナーによる新・「007シリーズ」は、作品が発表される度に評価は低下していった。独自に展開しているうちに映画シリーズとは全くかけ離れたものになってしまったのが原因と思われる。その後1996年からレイモンド・ベンソンがシリーズ3代目の作家として作品を発表したが、6作目(『赤い刺青の男 The Man with the Red Tattoo』)で007作家を降りることになった。2008年にはフレミング生誕100年を記念してセバスチャン・フォークスにより『猿の手を持つ悪魔 Devil May Care』が発表されたが、あくまでこれは記念作であるためシリーズ化される予定はない。

なお、2002年にベンソンが『007/赤い刺青の男』を発表したとき、日本を舞台とした内容であったことから、日本の一部マスコミが映画の次回作は日本が舞台かと騒いだが、この両者のオリジナル作品が映画化されたことはなく、逆に映画の脚本を基にしたノベライゼーション版をオリジナルに併行して発表しているにすぎない。しかし、作品の舞台となった地方(北海道登別市香川県直島町)では現在も本作の映画化の実現とロケ誘致を目指した活動を続けている(詳細は該当項目を参照)。

007シリーズ小説一覧[]

(括弧内は発表年)

イアン・フレミング作品[]

日本では井上一夫 (1923-2003) によってすべてが翻訳された。

長編[]

  1. カジノ・ロワイヤル Casino Royale (1953)
  2. 死ぬのは奴らだ Live and Let Die (1954)
  3. ムーンレイカー Moonraker (1955)
  4. ダイヤモンドは永遠に Diamonds Are Forever (1956)
  5. ロシアから愛をこめて From Russia, With Love (1957) (映画化作品邦題は「ロシアより」であるが、原作は「ロシアから」である)
  6. ドクター・ノオ Doctor No (1958)
  7. ゴールドフィンガー Goldfinger (1959)
  8. サンダーボール作戦 Thunderball (1961)
  9. わたしを愛したスパイ The Spy Who Loved Me (1962)
  10. 女王陛下の007 On Her Majesty's Secret Service (1963)
  11. 007は二度死ぬ You Only Live Twice (1964)
  12. 黄金の銃を持つ男 The Man With the Golden Gun (1965)(映画化作品邦題は「黄金銃」であるが、原作小説の邦題は「黄金"の"銃」である)

短編集[]

  • バラと拳銃 For Your Eyes Only (1960) (旧邦題『007号の冒険』)
    • バラと拳銃 From a View To A Kill
    • 読後焼却すべし For Your Eyes Only
    • ナッソーの夜 Quantum of Solace
    • 危険 Risico
    • 珍魚ヒルデブラント The Hildebrand Rarity
  • オクトパシー Octopussy and the Living Daylights (1966) (旧邦題『007/ベルリン脱出』)
    • オクトパシー Octopussy
    • ベルリン脱出 The Living Daylights
    • 所有者はある女性 The Property of a Lady

その他の作者による007小説[]

ロバート・マーカム(キングスレー・エイミス)作品[]

  • 007/孫大佐 Colonel Sun(1968)

ジョン・ガードナー作品[]

  1. メルトダウン作戦 License Renewed (1981)
  2. スペクターの逆襲 For Special Services (1982)
  3. アイスブレーカー Icebreaker (1983)
  4. 独立戦争ゲーム Role of Honour (1984)
  5. 不死身な奴はいない Nobody Lives Forever (1986)
  6. 覚悟はいいかね、ボンド君 No Deals, Mr. Bond (1987)
  7. スコーピアスの謎 Scorpius (1987)
  8. ミンサザイ作戦 準備完了 Win, Lose or Die (1989)
  9. 紳士らしく死ね Brokenclaw (1990)
  10. The Man From Barbarossa (1991)
  11. Death is Forever (1992)
  12. Never Send Flowers (1993)
  13. SeaFire (1994)
  14. COLD (1996)  アメリカ版は“Cold Fall

レイモンド・ベンソン作品[]

  1. 007/ゼロ・マイナス・テン Zero Minus Ten (1997)
  2. 007/ファクト・オブ・デス The Facts of Death (1998)
  3. 007/ハイタイム・トゥ・キル High Time to Kill (1999)
  4. Doubleshot (2000)
  5. Never Dream of Dying (2001)
  6. 007/赤い刺青の男 The Man with the Red Tattoo (2002)
  • 短編(未収録)
    • Blast from the Past (1996)
    • Midsummer Night's Doom (1999)
    • 007/ライヴ・アット・ファイヴ Live at Five (1999)

ジョン・ピアースン作品[]

  • 「ジェイムズ・ボンド伝」 James Bond/The Authorised Biography of 007 (1973)
    • ボンド本人へのインタビューという形で、その生い立ちから『黄金の銃を持つ男』の後に至るまで、公私に渡るボンドの半生を描いた大作。ボンドの活躍は全て実話で、イギリス情報部の委嘱を受けたフレミングが「ボンドをフィクションの人物と見せかけてソ連側の魔手から遠ざけるため」実話を小説化したという設定を取っている。本書内の設定によれば、小説シリーズ3作目『ムーンレイカー』だけが「ボンドを架空の人物らしく印象づけるためのフィクション」であるという。なお本書のインタビューで、ボンドは自分を演じたショーン・コネリーについて「何だあの男は」などと批判的な発言をしている。

ノベライゼーション作品[]

  1. 「新・私を愛したスパイ」James Bond, the Spy Who Loved Me (1977) (クリストファー・ウッド著)
  2. 「007とムーンレイカー」James Bond and Moonraker (1979) (クリストファー・ウッド著)
  3. 「消されたライセンス」Licence to Kill (1989) (ジョン・ガードナー著)
  4. 「ゴールデンアイ」Goldeneye (1995) (ジョン・ガードナー著)
  5. 「トゥモロー・ネバー・ダイ」Tomorrow Never Dies (1997) (レイモンド・ベンソン著)
  6. 「ワールド・イズ・ノット・イナフ」The World is Not Enough (1999) (レイモンド・ベンソン著)
  7. 「007/ダイ・アナザー・デイ」Die Another Day (2002) (レイモンド・ベンソン著)

パロディ[]

  1. 『007は三度死ぬ』Sreshchu 007アンドレイ・グリャシキ著)
    共産圏のブルガリアの作家グリャシキによって、冷戦中の1958年に「東側版ジェームズ・ボンド」としてスタートした諜報員アヴァクーム・ザーホフのシリーズは、ブルガリアで非常な人気を得た。そのザーホフを何と本家007と世界を股にかけて対決させた本作は、ザーホフ・シリーズ唯一の日本語翻訳作品である。ボンドの名が使えないため、作中では全て「007」表記で、原書ではトラブルをおもんばかって「07」と表記を変えていた。東側作品であるため、当然ながらソ連が主人公の味方、007は敵役で冷酷非情なプロの工作員として描写される。対してザーホフは寡黙で有能、身辺清潔な学者肌スパイとして描かれるが、KGBをはじめとする実際の東側上級工作員にも学者・研究者としての経歴を持つ者が多かった史実との符合は興味深いものがある。
  2. 定吉七番』(東郷隆
    東郷隆による日本版007パロディー。大阪商工会議所に所属する『殺人許可証を持つ丁稚』を主人公に描かれる奇想天外なスパイアクションコメディー小説。